新渡戸稲造『修養』を緩く読む

新渡戸稲造『修養』(たちばな出版)を見ながら、およそ1日1ページを目標に緩い言葉づかいにするブログ。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

39〜40 第1章 青年の特性 「青年」の意義

第1章 青年の特性1.青年の第一の特性青年の意義 青年! 青年という言葉は、よく人が使う言葉であり、また何とか青年会というものも各地に盛んに組織されているが、青年とか青年会とかいうのは一体どういうものなんだろう。青い年と言うからには、老人を白い…

36〜38 修養説の将来

修養説の将来 近頃は、「修養。修養」と言う声がだいぶ世間に響き渡り、一つの流行語のようになった。それについて僕の心配することは、今後の成り行きだ。 そもそも日本の思想界は大概10年ごとに一変するようだから、今世間で言われている修養説も10年後に…

33〜35 非凡なことは、平凡なことの修養によってできるようになる

非凡なことは、平凡なことの修養によってできるようになる 非常事態のときの立ちまわりは、前にも言ったように、なんといっても日々の平凡な心がけによる。春風に誘われて3日間見ない間に開く桜は、風に吹かれて慌てふためいて開くのではない。前年の冬から…

32〜33 日露戦争で倒れた2人の男

日露戦争で倒れた2人の男 日露戦争に身を挺して特別任務にあたり、 ついにハルピンの露と消えた、 横川省三と沖禎介の2人の男は、 随分と修養のあった人たちだ。 沖さんは豪傑風で、態度は堂々としていた。 横川さんは、いよいよ死ぬというときに 非常に静か…

30〜31 修養のある人とない人との違い

修養のある人とない人との違い 他の人や僕が「平凡」という言葉を使ったので変に思う人もいるかもしれない。しかし僕が言っている平凡の務めというのは、そのことそのものは平凡であっても、これを実行する人は、決して平凡ではない。僕の家の前を毎朝同じ時…