新渡戸稲造『修養』を緩く読む

新渡戸稲造『修養』(たちばな出版)を見ながら、およそ1日1ページを目標に緩い言葉づかいにするブログ。

53 淡白と無礼を誤解するな

淡泊と無礼を誤解するな

子供らしい自然な感じがないのは
日本国民の大きな欠点だ。
だから僕は
我が日本人がシンプリシティーを養い
それぞれ若くなって、
先々に伸びてゆく余地を
作りたいと思う。

青年は淡泊でなければならない
それを誤解して、
無礼でよいのかと思う人がいる。

 

年上の人の前に出ても
ろくに挨拶もせず、
あぐらをかいたりして、
「オイ、君……」
みたいなことと変わらないような
無礼な接し方をしようとする人がいる。
人を見下して軽く扱えば
それで自分が高くなるかのように
考えている人がいる。

 

そして世間はこれを
淡泊だと誤解している。

 

淡泊というのは、
色気なく、さっぱりとした、
心の性質。
その心で人と付き合えば、
動作がひとりでに
大体のマナーや礼儀正しさにかなう。

 

礼儀がなってないのは淡泊とは言わない。
粗野だ。
その間には大きな差がある。
慎重な人であれば、
人を大切にして礼儀正しくするものだ。

参考:『修養』新渡戸稲造(たちばな出版)

 

修養 (タチバナ教養文庫)

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