新渡戸稲造『修養』を緩く読む

新渡戸稲造『修養』(たちばな出版)を見ながら、およそ1日1ページを目標に緩い言葉づかいにするブログ。

もくじ

もくじ
初めに-3
 
凡例(ただしこのブログでは省きます)-22
 
全体について-23
修養とは何を意味するか/修養についての誤解/実践道徳に必要なのは、日頃からの行い/修養のある人とない人との違い/日露戦争に倒れた2人の武士の話/非凡なことは、平凡なことの修養によってできるようになる。/修養説の将来
 
第1章 青年の特性-39
1.青年の第一の特性-39
「青年」の意義/「歳をとる」とはどういうことか/その人の価値を決める基準/希望抱負に富む者こそ青年/年をとっているか若いかは、今後やるべき事の多い少ないで決まる
2.青年の第二の特性-46
日本の若者は、ずいぶんと年寄りぶる/子供らしい事は果たして悪いことなのだろうか/青年はいらない知識を貪るな
3.青年の第三の特性-50
青年は、さっぱりと淡泊でいよう/淡泊と無礼を誤解するな
4.青年の第四の特性-54
青年は元気を貯めろ/おそるべき元気の乱用/大いに伸びる青年は元気を貯蓄する
 
第2章 青年の進路の決め方-59
1.青年が進路を決める時期-59
2.青年が進路を決めるときの標準-61
その仕事の良いところしか見ていない進路の決め方/描いたイメージだけで進路を決める危険/泥棒を目指すに等しい、悪い志の立て方/何をする仕事なのかを見たあとに志を立てよう/人間は縦の空気も吸おう
 
第3章 職業の選択-73
1.職業選択の第一標準-73
進学先や就職先という意味での「進路」は青年にとって大問題/自分の性格と好きなことに従って決めましょう/向いていない職業を選んで失敗した実例/方向転換して成功した青年/職業の好きをどうやって決めるか/僕にも失敗の経験がある
2.特にこれといって好きなことがない人のための職業選択-86
普通の人が選ぶべき職業/自分の子供の職業選択に対する僕の希望
3.境遇が進路を許さない場合-88
自分が進みたい進路が許されない特別な事情/親が反対する進路に進みたいとき
4.なんか格好よさそうに聞こえる職業を選択することの誤解-93
5.学費がない人の進路の決め方-95
志を立てるのにお金がないことを嘆くな/学費がない人ほどかえって幸福
 
第4章 決心の継続-99
1.決心の継続は、大きなことを成し遂げる基礎-99
思いたつのは簡単だが継続は難しい/やろうと思ったことを実現するには、日々の実行/疑いが起こってもますます進め
2.決心継続の修養法-106
決意を継続するには、決意を記憶しよう/「ここだな」という気持ち/小さい事の中に大原則が含まれる/継続したことで臆病者が大胆になった/一つのことに通じれば他のどんな事にも同じ事が言える/継続心修養法としての冷水浴/鼻うがいもまた継続心修養法のひとつ。/自分鍛えもやり過ぎて精力を消費するな/小さな事も、原則を応用するつもりでやれば面白い
3.継続心を妨げる外部の事情-123
決心の継続を外から妨げる三大要因/①継続心を妨害するニつのよくある反対意見/心を開いて頼めば反対する人も同情してくれる/②生活状態の変化による継続心の妨害/年の期限を決めて継続するのも一つの方法/継続する気持ちを失うな/③皮肉って馬鹿にされ笑われることも決心を鈍らせる/バカにして笑ってくる者は、殴るしかない(今の時代は怒鳴ってこちらの真剣さを伝えるくらいに留めておくのがいいと思います:ブログ主より)
 
第5章 勇気の修養-138
勇気は修養するのが最も簡単/勇気の修養に必要な心構え/恐怖に対する勇気の修養/困難に対する勇気の修養/苦痛に対する勇気の修養/勇気を奮い立たせる読書の力/他の人の苦難と比べて勇気の修養/勇気はどうやって練習したらよいか/静かな勇気をどうやって得るか
 
第6章 克己の工夫-151
1.克己の意味-151
克己の「克」とは何を意味するのか。/克己には初段と冗談との区別がある。/自分を抑えることは青年時代に一番大切なこと
2.勝つべき真の敵は―156
「己」とはどんな気持ちのことをいうのか。/さかのぼって一番の原因に勝とう/勝べき敵はここに隠れている/結果から克己することも必要
3.克己心の修養-164
克己心の修養は卑劣な方法ではダメ/克己心修養の6つの事例/大きなことに対処する方法は、小さな事の修養にある。
4.克己の程度-170
克己の程度を判断するのは常識の力/弱点も克己して活用しよう/多くの犠牲を払うことが、本当の克己
 
第7章 名誉に対する心がけ-176
1.何かしようとする目的としての名誉心-176
人が何かをしようとする目的になる4つのもの/行為の動機としての色情/行為の動機としての利益/有名になりたい人と、実益が欲しい人/名誉とは何か。/名誉は何を標準にするべきか
2.名誉心に駆られる危険性-187
日本人は特に名誉を重んじる/ほとんど病気に近いような名誉心/①名誉心に駆られた自家広告/人に気づいてもらえないことよりも、自分自身を分かっていないない事の方が残念/②名誉心に駆られた卑劣な手段/自分を弁護する二つの方法/「名誉は死人の食う食物」
3.名誉は手段か目的か-203
一生の目的にするに値する名誉/求めていなくても自然に来る名誉/尊敬に値しない名誉心/手段としての名誉は乱用されやすい/このように活用している名誉は、とても良い/どうして名誉心は大切だと言われているのか/シェークスピアの劇に現われた名誉の考え方/誤解を避けたい僕からの一言
4.世間の評判に対する修養-217
実物に先立つ名前と実物を後押しする名前/名誉を傷つけられたときの覚悟/世間の評判は人間社会に必ずあるもの。/①他人を見下して自分を慰める方法/②世の中なんてこんなもんだと感じる消極的方法/③悪口を反省の材料にする活用法/④名誉を傷つけられたなら、このレベルまで到達したい
 
第8章 貯蓄-230
1.貯蓄の中身-230
文明は力の貯蓄/貯蓄に必要な第一のもの/日本人と外国人の計画性にまつわる大きな違い/無い無いと言わずに余った力を蓄えよう
2.お金の貯蓄-237
いわゆる英雄豪傑な人の、残された家族は路頭に迷う/お父さん1人が非難を受けて、その子供たちはみんな良い市民/貯蓄しようという気持ちがある人は、必ず良い国民/貯金しようという気持ちがある人は、気持ちが大きく、耐え忍ぶこともできる
3.体力の貯蓄-245
日本人は体力の消耗を気にとめない/体力を貯蓄するにはカラ元気を出してはいけない/おそるべき、青年の体力の無駄づかい/体力を消費する見栄張り/体力の貯蓄に必要な鍛え方
4.知識の貯蓄-254
知識を貯蓄している人のもつ偉い考え/貯蓄した知識は人に見せるタイミングが大事/僕が最も偉いと思った知識貯蓄の実例
5.徳の貯蓄-261
僕のような平凡な人は、このように徳を積もう/徳が与えてくれる黄金以上の満足感/徳を積むことは誰にでもいつにでもできる/人生の幸福はこうやって手に入れられるのではないかな
 
第9章 僕が試している読書法-267
僕が試している大量読書の良いところと悪いところ/どんな読み方が良いか/参考的研究の読書法/新刊書はどうやって読むか/一冊を全部読みきるのに必要な気持ち/間違っている最近の勉強法/忙しい人にとって便利な読書法/実際の生活には、人から教えてもらう耳学問が特に必要/親しい友達と一緒の読書会
 
第10章 逆境にいる時の心構え-281
1.逆境とは何か-281
得意になっている人も、実はあやふやなことが多い/うまくいっているときにも想像以上に辛いことがある/逆境に陥る二つの原因/逆境の大半は自分が原因を作っている/頭の中で自分でつくり出した逆境
2.逆境にある人の受けやすい危険-294
人間万事塞翁の馬/①逆境にいる人はヤケになりやすい/「この先は、どうかな…」と考えてみよう/社会は決して無情ではない/②逆境にいる人は、人の良いところをうらやましがりやすい/うらやましがる気持ちは心が狭いために起こる/共同の利害を考えよう/③逆境にいる人は他の人を恨みやすい。/逆境にいる人が他人を恨む一番多い理由/人の世話をすれば恨みの収穫/逆境の理由を自分に向けて反省しよう/心がけひとつで誰にでもできる/④天の神様を恨む逆境にある人の二種類/逆境にある人はなぜ天の神様を恨むのか/逆境を大げさに受け取ってしまうことの悪さ/⑤逆境の人は、可哀そうだなといたわる心を失いやすい/僕がお母さんと子供を失ってから感じる気持ち/狭い経験だけで他の人のことを決めつける危険/⑥逆境にある人は心に傷を受けやすい/逆境に陥ったことで傷をうけてしまった老人/君が傷をうけた人ならば、傷を活用しよう
3.逆境を乗り越えるときの態度-331
「濡れた毛布」のような人/逆境にいる人の乞食根性/逆境にある時の苦しみは、友達に打ち明けよう/逆境にあるときは少し身を引いて、冷静に考えることにしよう
4.逆境の活用-341
逆境の活用とは何か/①逆境の活用で身に付けられる、人の気持ちに寄り添う心/お歌に現れた天皇陛下の優しいお心/②逆境を活用すれば身に付けられる、大らかな心/③逆境を活用すれば身に付けられる、感謝の気持ち/逆境を活用した良い少女/④逆境の活用によって得た、癒しの光/⑤逆境は、自分や身の回りの人を試すもの/⑥逆境で身に付くハイレベルな修養/ハイレベルなところから見れば、順調も逆境もない
 
第11章 順調なときの心構え-364
1.境遇が順調なときと、逆境にあるとき-364
順調なときとはどういうことか/心がけしだいでは逆境も順調になる/目のつけ方しだいで、不満なことも楽しみの種
2.順調なときに人が警戒しなくてはいけない危険-370
①順調なとき人は傲慢になりやすい/②順調なとき人は仕事をサボりやすい/③順調にあるとき人は他の人からしてもらっていることを忘れやすい/④順調なとき人は不平不満を言いやすい/⑤順調なとき人は調子に乗りやすい
3.順調なときを対処する心構え-378
徳川家康の残した言葉の解釈/順調なときの人は、足を絶え間なく動かす水鳥に似ている/油断すると順調なときほど心は逆境になる/境遇が順調か逆境かの区別は、心の中にしかない/順調なとき人はどうすべきか
 
第12章 世渡りの標準-392
人間界の雑草/世渡りの二大方針/賛成できない自殺主義/世渡りの根本理由/重い病気にかかったときに心を落ち着かせた僕が、試してみたこと/うまくいかないときも、この心がけさえあればいつでも楽しい/善用の種を心の奥にまこう
 
第13章 道-406
1.人間の歩む道-406
毎朝出会う目の見えない学生の通学/心の迷いはなぜ起こるのだろうか/人の歩む道の遠い近いは、どうだろう/人の歩む道は広いか狭いか/人の道は単純か、それとも飾られているか/構造から見た、人の歩むべき道/急な坂道と緩やかな道/人の道は高い方が良いか、低い方が良いか/人の道はびくとも動かないか、または変わりゆくものか/自然の道と、人間が歩くための道路/人の歩むべき道はこの一つ
2.高い道と低い道-422
世の中には高い道も低い道もある/その職業に必要な道徳と、人として絶対に必要な道徳/職業以上のところに注目しよう/世渡りに大切な心構え/今の給料ではこれ以上に力を出せない/どんな人の給料が上がるのか/僕はここまで行きたい
 
第14章 黙思(瞑想)-438
1.黙思とは何か-438
精神的な食べ物の必要性/1日5分でいいから黙思してみよう/坐禅の醍醐味と黙思
2.黙思の方法-445
黙思するときのスタイル/黙思する場所/黙思して何を考えるべきか/雑念が起こっても続けよう/黙思はみんなと大勢でやっても良い/やり慣れるとすごく面白い
3.黙思の効力-455
悲しむ気持ちを養成しよう/イナゴバッタについての僕の実例/外から見た事実だけでは、動機はわからない/仕事が貴いのでなく、動機が貴いのだ/仕事の前にはなぜ働くのかを考えて黙思しよう
 
第15章 暑い時期の修養-466
姉崎博士の「平凡の教訓」/炎天下の暑さを利用した精神修養/水泳で身に付けた僕の修養実験/夏は心の休養期間/休養中に必要な注意点
 
第16章 夏休み明けの修養-477
夏休みが終わった後の三つの修養/①日本人は集中力がない/集中力を修養する三つの方法/②新しい決心をかためる/予定の計画は決心に刺激を与える/三年先まで予定を計画し実行する西洋人/③物事を良いことに活用する習慣/良いことも行き過ぎれば危険/健康の乱用と集中力の養成
 
第17章 年を迎える準備-495
夢のように過ぎ去ってゆく一生/新年は心を改めて自分を新しくする良い機会/年末には、一年間に書いた日記を繰り返し見よう/一年間にお世話になった人を思い出そう/昔の悪かったことも反省しよう/新年にやるべき心がけ/決意したことを友達に打ち明けよう/
知識の蓄えを増すことも必要
 
 
参考:『修養』新渡戸稲造(たちばな出版)